DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
出しかけた言葉を飲み込み、部屋の片隅に掛けられた時計へ視線を泳がし
「いや、戻ってからゆっくり話す。もうそろそろ出なくちゃならんだろ?」
そう促すと、アレックスは時計を見やってから振り返り、小さく頷いた。
時計の針はいつのまにか、正午に近づこうとしている。
ボルグも頷き返し、椅子から体を起こし立ち上がった。
「途中まで送ろう……俺も明日任務だからな。ちょっと準備に出かける」
「はい」
素直に頷き、ベッドに放ってあった袋を肩に掛け、先に出て行くアレックスの後ろに続きながら……
今は任務に向けて迷いのないその背を見つめ。
ボルグは再び複雑な思いにかられ……
胸のうちで深くため息をついた。