DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
色とりどりの花に囲まれた、真新しい真っ白な墓石。
先端が円形に削られた石版に刻まれた名前。
――ボルグ・ランドルフ
それを目にして
「……死んだ?」
今だ実感のわかない事実を確認するようにアレックスはつぶやいた。
――つい四日前
軍の敷地内にあるこの墓地を訪れる黒い葬送を二人で見て、話をしたばかりだった。
きっと気を和らげようとしてくれたのだろう、冗談めいた台詞と共に肩を叩き、先に任務に向う自分を送り出してくれた。
あの時の笑顔がまだ鮮明に思いだせるというのに……
「ボルグさん?」
自分でも知らず知らずのうちに漏れたアレックスの呼びかけに応えるものはなく、ただ、木々の葉を風が撫でる音だけが耳を通り抜ける。