DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
(―1―)
自室に戻ったアレックスは脱いだコートをベッドへ無造作に置くと、自分もその横に腰を下ろした。
コートを脱ぐ際に、中に着ていたタートルシャツの袖口が少し捲れ、左前腕の内側に刻まれた黒いケルベロスのタトゥーが目に入る。
その5センチ程の小さなタトゥーが、今のアレックスの存在の全て――
無表情にソレを一瞥した後、袖を直してソレを隠すと、コートの内ポケットからガーフィールドにもらった茶封筒を取り出し、封を開ける。
数枚の折りたたまれた書類を広げていると、間から一枚の写真がハラリと落ちた。
裏返しに落ちた写真の真っ白な面に、手書きで小さく書かれた名前
「ルーシー・マクドナルド」
声に出してその名前をつぶやきながら、ベッドの上に落ちた写真をそっと指先でつまみあげる……
自室に戻ったアレックスは脱いだコートをベッドへ無造作に置くと、自分もその横に腰を下ろした。
コートを脱ぐ際に、中に着ていたタートルシャツの袖口が少し捲れ、左前腕の内側に刻まれた黒いケルベロスのタトゥーが目に入る。
その5センチ程の小さなタトゥーが、今のアレックスの存在の全て――
無表情にソレを一瞥した後、袖を直してソレを隠すと、コートの内ポケットからガーフィールドにもらった茶封筒を取り出し、封を開ける。
数枚の折りたたまれた書類を広げていると、間から一枚の写真がハラリと落ちた。
裏返しに落ちた写真の真っ白な面に、手書きで小さく書かれた名前
「ルーシー・マクドナルド」
声に出してその名前をつぶやきながら、ベッドの上に落ちた写真をそっと指先でつまみあげる……