DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


「ボルグさん……俺、随分変わったんですよ」

五年の歳月風雨にさらされ、鋭角さを失った……墓石に刻まれた名前に呼びかける。

「あなたが……あなたの死が、俺に『悲しい』という感情を教えてくれました。

少しづつだけど……以前より随分いろんな気持ちがわかるようになった気がします……」




だから



だからこそ……




「ルシフェルが、ルーシーなんですね」



ぼんやりとしていた考えが、写真の表情を見た瞬間、それが真実なのではないかと……はっきりとアレックスのなかで形になった。





確証はない





「だから、会って確かめます。もうすぐ……もうすぐ……会える気がするんです」






そして、真実を――


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