DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


何かの力が働いているかのように、その森は侵入しようとする全てのものを拒む。

侵入を試みた者はあれど、いつのまにか森から排出されるかのように元の場所に戻されてしまい、その奥へ立ち入ることは出来ない。

また、森へ入った者がずっと戻らず、忘れられた頃に森の近くにその遺体が打ち捨てられていたなどという話もある。

ウィルダネスの歴史のおよそ初期の頃にその話はすでに人々の間で定着し、呪われた森と呼ばれた。



魔物の住む森。

死を招く森。



他にも幾つかの呼び名で呼ばれたが、いずれも不吉な禍禍しいもの。

そして、いかにその森への畏れが人々に深く根付いていることか……

二つの大国のいずれもその森に手をだすことはなかった。






だが……






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