DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
随分と集まってきたものだと、ここ数日増えつづける星のようなその瞬きを見下ろしていた灰色の瞳が細められた。
高揚してくる気持ちに自然と口角が上がる……と、その時
「失礼します」
ノックと共に、張りのある声がドアを開ける音を伴って室内に入ってきた。
「ウリエル様……先ほど到着しました第三中隊の指揮官バラシュ様が面会を求められてますが」
まだ、歳若い兵士は、振り返った少女へと敬礼と共に告げる。
ひたいにかかる灰色の髪を掻き上げながら、ウリエルは眉根を寄せ
「……面倒くさいなあ、そもそも僕は応援なんて頼んだ覚えもないのに」
鬱陶しそうに、溜息と共に返答した。
せっかくの楽しみを目の前に、まだ待つようにとの指示を守っておとなしくしてればコレだ。
今までならこんなことはなかった。
何年も存在を極秘扱いにされていた時は、他に誰かつけたとしてもせいぜい四、五人程度。
それすらも邪魔でしかなかったのに、今となっては百人強の中隊が押しかける。