DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
不機嫌そうな表情を浮かべるウリエルに、伝言を述べた若い兵士は困惑の色を見せる。
目の前に居るのは、自分の胸ほどの背しかない少女にもかかわらず。
その小さな体から発せられる威圧感と不気味さはどうだ。
「どうして人の楽しみを邪魔しようとするかな~……ねえ」
じゃらり、と鎖を引きずるような音とともに、いつのまにか窓際に座っていたウリエルが自分の目の前にいることに気付いた瞬間、兵士の顔が青ざめた。
喉元に当てられた尖った感触。
「僕ひとりで充分なのに」
下から見上げる灰色の瞳。どこか淀んだ色を湛えたその色が、兵士の背に冷たい汗を伝わせる。
ウリエルが手にする、彼女専用の武器。
それが、よりウリエルが持つ独特の雰囲気を増長させる。
守護天使だと聞いていた。
でも、これではまるで……