DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「どっちかってゆうと、まるで死神みたいだよな~」
心の中で呟いたはずなのに、部屋に響いた台詞に兵士はさらに顔を青ざめさせた。
自分は口を開いた覚えはないのに何故……というか、本人を目の前になんてことを言ってしまったのだ。
だが、兵士の焦りに反して、喉元に突きつけられていた刃先は、スッと離された。
同時に、ウリエルの視線が自分の後方に注がれていることに気付き、振り返ると。
「あんまり新米兵士をいじめてはいけないよ。ほら……すっかり怯えてるじゃないか」
この場の雰囲気にそぐわぬ笑顔。
面会を申し込んだ当の本人が、すでに部屋の中に立っている。
「バラシュ様!!」
先ほどの声が自分のものでなかったとわかり、若い兵士は安堵で顔をほころばせた。