DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
(―1―)
――アルマの外れ
中央司令部や軍施設が集まる地帯より、更に北寄りに、街の境界近くの森の中。
森の中心を切り取るかのように円形にぐるりと立てられた高い鉄製の柵。
柵に囲まれた中は、丹念に手入れされた芝生が広がり、色とりどりの花が植えられた花壇や噴水がバランスよく配置され美しい庭園となっている。
門から奥まで伸びる細い道は、アーチ状になった鉄柵のトンネルに、蔓科の気品溢れる花が絡み、甘い芳香を漂わせている。
その花のトンネルの先。
美しい庭園に映える、白壁の城。
『アルマ宮殿』
リチャード王静養の為に最低限に人払いされているため、その庭に人気はない。
寂しさを感じるほどの静寂に支配された庭園のトンネルを、今、一人の男が歩いていた。
穏やかな風景に似合わぬ、鋭い眼光の初老の男。
男は迷うことなき足取りで城の扉まで進む。
たどり着くと同時に、はかられたかのように内側から扉が開かれた。
――アルマの外れ
中央司令部や軍施設が集まる地帯より、更に北寄りに、街の境界近くの森の中。
森の中心を切り取るかのように円形にぐるりと立てられた高い鉄製の柵。
柵に囲まれた中は、丹念に手入れされた芝生が広がり、色とりどりの花が植えられた花壇や噴水がバランスよく配置され美しい庭園となっている。
門から奥まで伸びる細い道は、アーチ状になった鉄柵のトンネルに、蔓科の気品溢れる花が絡み、甘い芳香を漂わせている。
その花のトンネルの先。
美しい庭園に映える、白壁の城。
『アルマ宮殿』
リチャード王静養の為に最低限に人払いされているため、その庭に人気はない。
寂しさを感じるほどの静寂に支配された庭園のトンネルを、今、一人の男が歩いていた。
穏やかな風景に似合わぬ、鋭い眼光の初老の男。
男は迷うことなき足取りで城の扉まで進む。
たどり着くと同時に、はかられたかのように内側から扉が開かれた。