DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「は……はいっ」
今にも自分に対して鎌を振り上げそうなウリエルの剣幕に、兵士は跳びあがり、すぐに踵を返し走り出した。
階段を駆け下りていくその足音を聞きながら、ウリエルはゆっくりとルシフェルへと向き直る。
ルシフェルは背中のモノに手をかけることもなく、ただじっと立ったままそのやりとりを見ていた。
その様を見て、ウリエルは再び笑みを浮かべ
「邪魔なんかされてたまるか。お前は僕の獲物なんだから……」
小さな舌で下唇を舐め呟いた。
灰色の瞳に光が宿る。
嬉しそうな……だけど、暗い。
暗い光。
「何のつもりでここに来たか知らないけど、とりあえずさ」
ゆっくりと斜に構えられる黒い鎌をルシフェルは悲しげに見やる。
対照的に、楽しげな声が響いた。
「遊ぼうぜえ!! ルシフェル!!」