DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
(―1―)
煌々と照らす月の光が、尖った幾つもの高い屋根を闇の表に浮かび上がらせる。
細長く高い塔のような建物の先端が三角の屋根になっているのがこの都市の駅の特徴だ。
西方面の交通の要であるカラヤには他の都市に比べて駅が多い。
多方面からの路線が幾筋も中心に向かって伸び、昼間ならば、近くの高台から線路が都市の間を網目のように巡る様が眺められる。
首都アルマと同じく街灯は早い時間で消されてしまうため、夜も少し過ぎれば街は闇に覆われてしまうが……
多数存在する駅の明かりが残っているぶん、夜に限っては遠くから見ればアルマよりも大きな都市に見えるかもしれない。
「このへんのはずだけど……」
手にした小型通信機で目的地の地図を確認しながらミカエルは辺りを見回した。
夕刻に連絡を受けてすぐに、普段民間人が使用するものよりも数段早く移動できる王室専用列車で移動。
通常なら十時間はかかるところを半分ほどの時間でカラヤに着いた。
滅多に使用されない王室専用列車は常にいつでも発車できる状態で待機しているが、王族の者か、もしくは王室の許可をもつ者以外が使用することは許されない。
煌々と照らす月の光が、尖った幾つもの高い屋根を闇の表に浮かび上がらせる。
細長く高い塔のような建物の先端が三角の屋根になっているのがこの都市の駅の特徴だ。
西方面の交通の要であるカラヤには他の都市に比べて駅が多い。
多方面からの路線が幾筋も中心に向かって伸び、昼間ならば、近くの高台から線路が都市の間を網目のように巡る様が眺められる。
首都アルマと同じく街灯は早い時間で消されてしまうため、夜も少し過ぎれば街は闇に覆われてしまうが……
多数存在する駅の明かりが残っているぶん、夜に限っては遠くから見ればアルマよりも大きな都市に見えるかもしれない。
「このへんのはずだけど……」
手にした小型通信機で目的地の地図を確認しながらミカエルは辺りを見回した。
夕刻に連絡を受けてすぐに、普段民間人が使用するものよりも数段早く移動できる王室専用列車で移動。
通常なら十時間はかかるところを半分ほどの時間でカラヤに着いた。
滅多に使用されない王室専用列車は常にいつでも発車できる状態で待機しているが、王族の者か、もしくは王室の許可をもつ者以外が使用することは許されない。