DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
ミカエル達守護天使には、急を要する重要な任務が多いため、それを自由に利用できる特権があった。
目的地である医者の家はカラヤの中央駅から少しばかり北、街の中心近くにあり、すぐに見つかるはずだ。
駅を出て、地図に従い北方面へ大通りを進み、およそこのぐらいだろうという距離を移動したところで再度地図を確認した。
いつも携帯してる小型通信機は、通信機能を利用して地図も見れるのだが、いかんせん画面が小さいため広範囲の地図を一度に見ることが出来ないのがやや不便ではある。
細切れのピースを徐々に追うしかないのだ。
もう少し先であることを確認し、また暫く進み、大通りが交差する場所に差し掛かったところで、ふと、ミカエルは足を止めた。
微かに、耳に届く人のざわめき。
夜間の外出は極力控えるようにと通達されているのはアルマに限らず他の都市も同様。
それにもかかわらず、深夜に近い街に複数の人間の声が一箇所から聞こえてくる。