DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
ミカエルに聞かれた事を思い出す。
どうするかは分からない。だが、どうするにせよ、会うという目的自体は揺ぎ無く明確に存在している。
会えば、自分は変わるのだろうか。
そしてルシフェルも……
眠る直前にジノが言った言葉が何度も頭の中を巡る。
ルシフェルが悲しくなくなるといい……そう願ったジノ。
自分はどう思っているのだろう。
未だはっきりとせぬ、自身の中の『感情』に思いを馳せながら――
なんにせよ、ジノの伝言は必ず伝えねばならない。
不思議と、それだけは自然に。アレックス自身も強くそう思うことが出来た。
すぐ隣にある熱源のせいか、普段以上に暖かい毛布の温度は心地よい眠気を呼ぶ。
抗うことなくそれに身を委ね、アレックスは意識を閉じる。
長い長い、カラヤの夜。
夜明けの足音はすぐそばまで近づいて来ようとしていた――