DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>



ガーフィールドの報告書に一通り目を通した後、アレックスは再びコートを羽織り、自室を出た。

行き先は、敷地内の片隅に設けられた公園墓地。

軍施設が立ち並ぶなかどこか不似合いな、木々に囲まれ、手入れされた花壇が点在するその公園には、真っ白な先端の丸い墓石が立ち並ぶ。

功績のあった軍人が眠る場所。

その中のひとつの墓石の前でアレックスは足を止めた。


――ボルグ・ランドルフ


墓石に刻まれた名前を確認して、その前にたたずみアレックスはつぶやいた。



「あの時、何があったんですか……」



もの言わぬ、過去の知人が答えるはずは無い。

分かっていたが、聞かずにいられなかった……



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