護りたい者のために
兄「ククククッ」
今まで黙っていた兄が急に笑い出した
母「どうしたの、ジン」
兄「だってこいつ趣味悪い服着てんだぞ。黒に銀って目立ち過ぎだろ」
母「それもそうね」
兄と母は馬鹿にしたように笑い、父はその様子をニヤニヤ見ていた
兄「ま、化け物にはその格好がお似合いだな。明日はせいぜい邪魔しないようにしろよ」
『失礼します』
私はまだ笑っている三人に頭を下げ、屋敷を後にした
「お待ちください、お嬢様」
歩いて帰ろうとする私にラウが焦ったようにやってきた
「お嬢様、馬車を出しますのでお乗りください」
『結構よ、こんなところ、今すぐ出て行きたいから』