呪いと祝福
その顔には何となく見覚えがあったんですけど、まあ寝ぼけているんだろうなぁと思って、そのままスルーしたんですよ。

しかし老人は真面目な顔で、ある方向を見ているんです。

その方向の先にあるのは、「わたし」の姉の部屋。

だけどあまり気にとめず、そのまま眠りに入りました。

―数ヵ月後。

親戚の人が亡くなったと母から聞かされました。

それが聞いて仰天。

「わたし」が枕元で見た、あの老人男性だったのです。

老人男性は生前、姉を凄く可愛がっていました。

ところが親戚とは折り合いが凄く悪かった為、病気で入院していたことも、亡くなったことすら聞かされなかったのです。

…まあ醜い遺産争いってワケです。

老人男性は姉に遺産を残したかったのですから。

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