お兄ちゃんのおかげです。




「良かった。落ち着いたみたいだね、あや」

「・・・ごめんなさい・・・お兄ちゃん・・・」








迷惑ばかりかけて・・・。








「謝らなくていいんだよ。大きな声出してごめんな」

「違うよ・・・あたしが・・・、あたしが悪いの」








ごめんなさい。








ごめんなさい。








何度心の中で唱えても、気が済まない。








「あや・・・」

「ごめんなさい・・・!!」








泣きながら、屋上を飛び出した。








お兄ちゃんを恐いと思ってしまうのは、初めてではないけれど。








でも・・・、やっぱり、大好きな兄を、恐いと思ってしまうのは








お兄ちゃんが良くても、あたしは・・・、やだよ。





< 11 / 14 >

この作品をシェア

pagetop