お兄ちゃんのおかげです。
「良かった。落ち着いたみたいだね、あや」
「・・・ごめんなさい・・・お兄ちゃん・・・」
迷惑ばかりかけて・・・。
「謝らなくていいんだよ。大きな声出してごめんな」
「違うよ・・・あたしが・・・、あたしが悪いの」
ごめんなさい。
ごめんなさい。
何度心の中で唱えても、気が済まない。
「あや・・・」
「ごめんなさい・・・!!」
泣きながら、屋上を飛び出した。
お兄ちゃんを恐いと思ってしまうのは、初めてではないけれど。
でも・・・、やっぱり、大好きな兄を、恐いと思ってしまうのは
お兄ちゃんが良くても、あたしは・・・、やだよ。