お兄ちゃんのおかげです。
♪~♪~♪~♪
「・・・もしもし」
『あや?今どこ?お兄ちゃん怒ってないよ?』
分かってる。
お兄ちゃんは優しいから。
「・・・分かんない」
『近くに何かある?』
「え、っと・・・」
ちょっと歩いたところに、小学校らしき建物があった。
「南・・・小?」
『南小だね?
じゃあ雨降ってるし、屋根ある所で待ってて。木の下とか』
「分かった・・・」
電話を切り、近くの大きな木の下で待ってた。
「・・・さむ・・・」
早く来てくれないかな・・・。
自分勝手な気もするけど・・・。
「あやっ」
「お兄ちゃん」
「こんなに濡れて・・・寒かったろ?
これ羽織って。今日はもう帰ろう、ね?」
お兄ちゃんは優しく微笑んだ。
「うん」