bubble love


ボクは、あの姫がバルコニーから出て行ったのを見計らってバルコニーに出た。


寒空だったけれど

潮風が気持ちよかった。


あの姫と王子は、ここからお互いを見つめ合っていたのだ。

そう思うと胸を締め付けられた。


その夜、王子と姫は同室にいて寝静まっていた。


真っ暗闇のなかを


ボクはタコに貰った短剣を握り締めて

2人を見下ろす。


海に浮かぶ黄色いモノだけが、

寝室を照らしていた。


ボクは、短剣を握る手を

ゆっくりと上へ上へと上げていく。



「誰だ」

王子の低い声が、室内に響く。
< 13 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop