bubble love
「王子…、どうかお幸せに」
ボクは、そう言ってから
最後の魔法をかけた。
王子の翡翠色の瞳と
人間の言葉で話せるように──…
そして、ドアから出て行こうとした。
「待て!」
「………」
王子の強い停止の声にボクは立ち止まる。
「お前は、何者だ?」
その質問にボクは、ほくそ笑んでから
「ボクは、バブル──…」
と言い残した。
───…バシャ
床に水が滴る。
「バ……ブ…ル…──?」
王子は、
双方の瞳を大きく見開いて呟いた。