約束 -2-
「…ばっかじゃないの……」




急に溢れだした涙をとめることは不可能で。






「あの時もそう。






勝手に何でもかんでも決めないで。






あたしは智也と赤ちゃんが居れば、それだけで幸せなのっ……」






「…嬉しいこと言ってくれんな」






「……智也こそ」








「…あの時はごめんな」







「…ほんとだよ」







「でも今こうしてられるのは、俺が家を出てったからだ」







「……」





確かにそうだ。






智也があのまま家にいたらあたしたちは監視され続け、いずれ家も引き離されていただろう。







「それから、友華があの約束を守ってくれたからだ」








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