心涙
外はまだ寒かった。
もう、3月なのに。









歩きながら、おじさんが話を切り出した。









「昨日、何があったのか・・・教えてくれるかい?」






「はい・・・。」






「・・・・・」







少しずつ話していった。
かんでばかりだった。話しているうちにあたしの涙からは
少しずつだけど、やっと涙が出た。










「そうだったのか・・・・・。ごめんね、サヤ短気だから・・・」







「そんな事・・・ありません・・・。あたしが・・・あの時、怒ってなければ・・・。




短気なのはあたしのほうです・・・。」





何でこんなにサヤの周りの人は優しいんだろう。
あたしを怒る前に、サヤの悪い所を謝るなんて。
あたしには絶対できない行動だった。
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