心涙
なるべく、ひと気のない所を歩いてるんだけど、
生徒数の多いこの高校は何処に行っても誰か居た。






―――・・だから、この学校にあたしの逃げ場は無かった。
この学校だけじゃない、家にもあたしの居場所は無かった。







家に帰ればお母さんに暴力を振るわれる。
お父さんとは、もうとっくに離婚していた。
離婚の理由はお母さんの不倫だった。







その日からお母さんは前にもまして荒れだした。









――――





委員会が終わった。
靴箱にはやっぱりあたしの靴は見当たらなかった。
また、盗られた。






普通に隠すだけなら良いけど・・・あたしの場合
皆盗られる。






だから、バイトのお金は盗られたものを買うので
消えてる。







こんな事されても、心が痛まないわけじゃない。
でも、涙は出ない。あたしの目は今死んでる。





完全に涙腺が壊れている。
< 15 / 44 >

この作品をシェア

pagetop