心涙
そう言うと走って靴箱に向かった。



「渚!待ってよ!!」





サヤが息を切らして走ってくる。
反射的に逃げてしまった。






信号を渡ったとき、体力が持たなくて膝に手をついて呼吸を整えた。






「はあ・・・はあ・・てか、何であたし逃げてんだろう・・・」






自分の行動のおかしい事に気がついた。
サヤは!?




「なぎ・・・さ!待って」





後ろの交差点の光景に大きく目を見開いた。





「サヤ!!信号っ」




サヤは信号が赤なのにも気がつかずこっちへ向かってきた。
近くにはとばしてる乗用車が向かってきてる。
サヤ・・・サヤ!!早く・・早く来ないと・・・はねられる!





「サヤ!早く来て!!車、来てる!!!」





「え―?」




サヤが気づいた時にはもうサヤは、はねられた。



嘘・・・。嘘だ・・・。目の前が真っ暗になって意識を失った。
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