心涙
「・・・・ん・・」







「気がつきましたか?貧血ですよ」





看護士さんはそれだけ言うと部屋を出て行った。
あたしは自分の体の事より気になる事がある。




―――サヤは?






ベッドからすぐに出て自分の部屋のドアノブに手を掛けた時・・・。






「サヤぁぁ!!ぅう・・」






同じクラスの美帆の悲鳴が聞こえてきた。
こんな悲鳴、聞いたら嫌な予感がする。






部屋は凄く近かった。
あたしの部屋の隣だった。








ドアを開けるのに一瞬とまどった。
でも、あたしは絶対に開けなきゃいけない。
ここから逃げる事はできないんだ・・・。








「サヤ・・・・?」





< 5 / 44 >

この作品をシェア

pagetop