心涙
入った瞬間、一人を除いて皆の視線があたしに集まった。





そこにはサヤの両親、大勢のクラスメイト。
中にはあたしの知らない顔まであった。





「あの・・・」






皆の目は徐々に憎しみに込めた目に変わっていった。
でも、サヤの両親だけはちがった。






「あの、おばさん、サヤは・・・」





「サヤは、今さっき息を引き取ったわ」





「え・・・?」





「サヤは死んだんだよ。」







「サヤは・・・出血がすごかったようで・・・。ぅ・・・」






「何があったか、教えてくれないか・・」






「え・・・あ・・・」





また頭がおかしくなった様に何も考えられなくなった。
あたしが今、言いたい事もきっと言葉になってないと思う。



サヤが死んだ・・・?
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