心涙
おじさんがあたしに気づいてくれた。






――今、あたしはどんな表情をしているんだろう。
何で、大切な友達が亡くなったっていうのに・・・この目は
涙を流さないんだろう。
涙腺がおかしくなってるのかな・・・。




こんなんじゃ、おじさん達に申し訳ない。
『友達が死んだのに、悲しくないのか』って思ってるかもしれない。







おじさんはおばさんに、何かを伝えるとこっちへ向かってきた。







「ごめんね、待たせちゃって」







「・・・・」






そのまま沈黙が続いた。
5分くらい経った。








「外、行こうか」







「はい。。」







< 9 / 44 >

この作品をシェア

pagetop