D U S H ! !



そういや、俺、まだ鮎川としか喋ってないかも。

やばい、俺も変な奴と思われてるのか?


こんなようなことを、男子便所でふと思ったのだ。
やばい、出遅れてるってことじゃないのか。



「……。」

授業中。高校に入って初めて知ったのは、授業はだまっておかないとついていけないということ。
ほんとにそう思う。マジで。

他にも、食堂がデカいことや、制服の規制が超ユルかったり、びっくりした。


「高校生」ってことに、若干浸ってたりする。

あ、それって鮎川と同じナルシストに入るのか?


入っているとしても、鮎川とは比べ物にならないくらいマシだ。絶対。



チャイムが鳴って、授業が終わった。

すると後ろの席の男子が僕の背中をつついた。


「なに。」

「…こんにちわ。面くんって言ったよな、オレ鍵谷。下の名前がシュートっていうから、シュートって呼んで」

「あ、ああ。俺も大和でいいよ」

「おっけ。ヤマトね。かっこいいー」

「はは」

彼、シュートは、何故俺に話しかけてくれたのだろう。
そんなことを思っていると、


ところでさ、



シュートがそう言った。



「鮎川って、あれ、なんで金髪なの?」



< 11 / 346 >

この作品をシェア

pagetop