D U S H ! !



翌日。

土曜日なのにあいつらに呼び出され、DASHEDfc-に向かう。


どうしよう、メロディなんて考えてもないのに。

ま、どうにかなるでしょう!!



そんな軽い気持ちで行くんなら、『風邪』と嘘をついて来なければ良かった。



ライブハウスの休憩所。

ココが俺達の溜まり場になっている。


「なんだヤマトの歌詞は。これじゃ日記じゃん」

カイジが俺のノートを見て呆れている。

なんで呆れるんだ、最高じゃないか。

とは言えず、愛しかった『奈津子ちゃん』を理由にした。
ごめん、奈津子ちゃん。
でも奈津子ちゃんはシュートの彼氏なんだもんな。


「しょうがないだろ~俺は今傷心の身だ。大した歌詞は書けない。」

そう答えたのにユカは聞きもしない。

「どんな歌詞?アタシも見たい!!」

「いくぞ~、『今日は暑い。ほんと暑い。なんで今日はこんなに暑いのだろう。今日はアイスをニジュッコも食べた。』」

「ニジュッコなんて大嘘でしょ」

「そこは…歌詞だから。」



「歌詞なんて本音を書けばいいの。ヤマトくんのも英詞にしたら格好いいかもだし。…まあコレも本音なんだろうけど」

ユカはそう言うと、鮎川が書いてきた文章を読む。


「『オレはカッコイイ。なのになぜ15年もガールフレンドができないのだろう』」


なんだこの歌詞は。
俺以下じゃねーか。

「ユカがガールフレンドになったげろよ」

俺は言った。
鮎川は彼女のことが好きだから。
一応鮎川は“仲間”だし。



するとあいつは機嫌を損ねたらしく、ぷいっとどこかへ行ってしまった。

ユカもやっぱり女なんだな、女ってわからねーわ。




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