D U S H ! !



「ヤマトくん。」

あの曲を読んだユカが言った。


ライブまであと15日、今日はユカを呼び出した。

というか、一番に見てもらいたくって、俺の方からユカの学校へ待ち伏せ。

ユカに彼氏が居たらそいつに殺されかけるところだが、案の定あいつに彼氏は居ない。
よかった、殺されずに済むぜ。


「なんだ、ユカ」

緊張する。批評を頼んだのだ。


「この曲いいかも。」

「マジで!!」


彼女は目を細めていた。
いや、泣いていた?


「…なんで泣くんだよ」

「いや、心にギュッときたっていうか…。ゴメン、泣いて」

「いや…」


泣いてたのに微笑むあいつ。

その微笑みは奈津子ちゃんより決してカワイクないのに、何故かきゅん、とした。

愛しく思えた。


なんでだ。





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