D U S H ! !
なんだよこの
「ナルシスト、見栄っ張り、マザコン、シスコン!」
あれ、俺は『ナルシスト』だけを言おうとしていたのに、イカツイ声が俺の言葉をさえぎった。
「カイジそれはひどいって~マザコンじゃないし。さらには兄弟いないからシスコンでもないし」
「ナルシストと見栄っ張りは認めるんだな」
「それも違うけど…」
「自分の価値を上げたくてそんなことぬかしてんだろ、充分ナルシストで見栄っ張りじゃねえか」
「……。」
負けだ。
完全に鮎川は負けだ。
カイジに口で(力もだけど)勝てる訳がない。
「DASHのボーカリストはヤマトだけだ。鮎川はコーラスで歌う訳じゃないし、勿論ボーカリストでもない」
少しきつくないか。
なぜカイジがこれほど怒っているのかわからなかった。
鮎川の歪んだ顔を見て、俺はカイジを止めようと思った。だけど。
「お前はギタリストだ。DASHの。ただ一人の。」
なぜこれほど人を熱くさせる言葉を言ってしまうのか。
カイジの脳内が見たい。