D U S H ! !



階段を駆け降りるとそこにはステージがあった。

今ここでスポットライト浴びているのはリョウジさん達のバンド。

「コンバンワー、オレらMiXdryって言いまーす。ここら辺拠点にして、今日主催の専門学校も含めて活動してるんですが、…みなさん盛り上がってますか?」

「疑問形?」

ギターの人がつぶやいた。


ちょっと周りがシーンとする。

「あれ、スベりましたね、コレ。参ったなあ」


「兄貴…」

カイジがリョウジさんを睨んでいた。
すると突然ハラくんが僕の肩をつんつん。


「ヤマトくん。ボーカルはMCも重要だから、がんばってね」

「は。MC?」

「そう。今のリョウジさんみたいにMCするの。別にウケは狙わなくてもいいけど…」

「俺がやるの?」

「ヤマトくんがやらないで誰がやるのさ。鮎川くんがやったって自分の自慢ばっかりだろうし、まずギターだし」


俺が人前で喋る?



…ごめん、無理だ。



< 21 / 346 >

この作品をシェア

pagetop