D U S H ! !
階段を駆け降りるとそこにはステージがあった。
今ここでスポットライト浴びているのはリョウジさん達のバンド。
「コンバンワー、オレらMiXdryって言いまーす。ここら辺拠点にして、今日主催の専門学校も含めて活動してるんですが、…みなさん盛り上がってますか?」
「疑問形?」
ギターの人がつぶやいた。
ちょっと周りがシーンとする。
「あれ、スベりましたね、コレ。参ったなあ」
「兄貴…」
カイジがリョウジさんを睨んでいた。
すると突然ハラくんが僕の肩をつんつん。
「ヤマトくん。ボーカルはMCも重要だから、がんばってね」
「は。MC?」
「そう。今のリョウジさんみたいにMCするの。別にウケは狙わなくてもいいけど…」
「俺がやるの?」
「ヤマトくんがやらないで誰がやるのさ。鮎川くんがやったって自分の自慢ばっかりだろうし、まずギターだし」
俺が人前で喋る?
…ごめん、無理だ。