D U S H ! !
「今更無理って言ったってむりだよ。」
背筋がスーっとするような感覚。
後ろには鮎川が立っていた。
「怖えな鮎川」
「ヤマトがいなきゃバンドは成立しないんだからな。さもなくばオレがヤマトの座を奪う!」
「意味わかんねえよ」
俺はそんなふうに吐き捨てて、ステージの側まで、歌っているリョウジさんの側まで駆け寄った。
手で掴めそうな近い距離なのに、俺が感じたのは遠い遠いリョウジさん達の姿だった。