D U S H ! !
「ちゅー、されたんだ」
信号は赤。あと何十秒でさよならなんだろう。
「ちゅーっていっても、おでこだから」
「おでこでも、彼氏でもない奴にちゅーはおかしいだろ」
「そうだけど。マジであの人イカれてたから、あの時」
「……。」
青になった。
俺達以外誰もいないのに、時だけは刻まれてゆく。
「じゃあ。また」
「また」
自転車にまたがり、すぐ角を曲がった。
真っ直ぐ進めば家につくけど、早く彼女の瞳から姿を消したかった。
何嫉妬してるんだろう、俺。