D U S H ! !
DISK6 tomato potato きゅーかんばー



「なあ、ヤマトって、文理どっちにしたんだっけ」


「DUSH」としてライブをした文化祭も終わった11月。

俺達は、ここ一カ月、バイトでレコーディングするためのお金を貯めながら曲を作り、練習をする傍ら、月1回ペースだがライブもしようとしている。
さらには毎日休まず学校に通っている訳で。

だから授業時間はほぼ睡眠に費やすことになる。


「文系。お前の今の学力じゃ、カイジと一緒の特進には行けないって。特進行っても大した大学行くつもりないから、ゆるーいⅠ型選んだ。」

「へえ。オレ理系のⅠ型。オレさ、実は理科が苦手なんだけど、文系って女子多いじゃん?こんな美少年が居たら授業に集中出来ないだろうと思って、身を引いた訳」

「それクラスの女子が聞いたら引かれるぞ。ていうか、裏を返せば『そこ』は野郎共だけだってことだけど分かってる?」

「分かってない…」

鮎川の青白い顔が、益々青白くなる。

「しまったあ~」

ほんと馬鹿だな、コイツ。


「何、どうしたの」

トイレから帰ってきたシュート達がやってきた。


「あ、シュート。お前は文理どっちなの?」

俺がそう聞くと、『前にも言ったじゃん』と笑われた。

「文系だよ」

「え、シュートくん文系なの?」

鮎川が言う。

「うん。国際関係学っていうの?そんな感じの学びたいから」


へえ。


「ちゃんと将来のこと考えてんだな」

「まあな。」



…将来のことか。



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