D U S H ! !



そんな話を聞いて、DASHEDfc-を出ると、目の前に俺達と同じくらいの年齢の女子高生。


この子誰。

お前らの知り合い?


目を合わせ無言で会話をするが、誰も知らないらしい。


「DUSHさんですよね?」

そのきらきらとした瞳を見ると、何故か「はい」という言葉をためらってしまった。


「やっぱり!わたし、ファンなんです!先月のライブ行きました!」

握手を求められ、勢いのまま俺達は握手をすると、「きゃあ」、そんな黄色い声が弾んだ。


「わたし、軽音部なんですけどっ、今部活の友達たちの中でDUSHって憧れなんです!現役高校生で、めちゃめちゃスゴいバンドがいるって!」

「はあ…」

俺達が凄い?

「今度CD出す時は絶対買います!」

はきはきと、そう言うと彼女は、遠くに居た友達らしき2人の元へと駆けて行った。


ぽかんとしていた鮎川が呟いた。

「何、オレ達って有名人?」


…少しはそうなのかも知れないな。


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