D U S H ! !


不意に鮎川が言った。

なにその挑発的な目。


「ああ」


「ふーん」


そう言い鮎川が後ろを向く。ハラくんとカイジが俺を見て笑った。

なななんだよお前ら。やる気か?



「やっとやる気になってくれたんじゃーん!いいね、メジャーデビュー!夢は大っきく持たなくちゃ」


急にいつもの鮎川に戻った。は、意味がわからないんだけど。


「嬉しーねー、ボーカルさんがやる気持ってくれて。このままじゃやばいと思ってたんだけど」

「よかったよかった」


イマイチ理解出来ないんだけど…


目標はメジャーデビューに決定ってことか?



「ヤマト大好き~!!!!!!」

鮎川がこっちに向かって走ってきた。

うえ、気持ち悪。


「逃げんなよ~」


嫌だいやだ。

こんな駅前で男同士が抱き合うのは駄目だろさすがに。



…そんなこんなで、俺たちのバンド活動は始まった。



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