D U S H ! !



「オレ、思うんだけどね?」


ギターを弾くのに飽きた俺達は、サウンドルームから場所を変え、鮎川の部屋でテレビドラマ(再放送)を見ていた。


「なに、鮎川。」

「さっきからずっと考えてたんだけどさ、」

「だから何。今話のイイトコなんだから黙っとけよ」

「…カイジ、麗奈さんからチョコレート欲しかったんじゃないかな」

「ふーん、なんで。」

「そらしてたから、目線。」

「なんの」

「オレ達はユカちゃんからのチョコだ~って嬉しがってたけど、カイジはちょっと悲しげだった『チョコを見たくない』って顔してた昨日。」

「チョコ嫌いだったんじゃねーの?…あ、ほら、今主人公が少女とチョコのやり取りで喧嘩した!!」


…喧嘩した?


…チョコのやり取りで?




「まさかそのドラマの出来事が丸々起こってたりしてね」

鮎川は冗談半分で、そんなことを言ったけど、


「これ、あいつらなら現実で起こすぞ……」


引くくらい辻褄がピッタリなんだけど。



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