D U S H ! !



とりあえず、ハラくんに事情を話して、麗奈さんの家を教えて貰った。

「おれ、行けないから任せたぞ」と言ってハラくんに電話を切られた。
今日は夜からドラムのコンテストの予選会があるらしい。



路地をゆく。

冷たい突風が俺達を凍えさせる。
雪が降ってもおかしくないくらいの寒さ。


「カイジん家の近くなんだろ?」
―幼なじみなんだから。


鮎川が言った。

そうそう、近くらしいんだけれど、彼女の苗字の表札が見当たらないのだ。


「……あれじゃね?」


そこには彼女の苗字である「原」という表札と、彼女が居た。





< 326 / 346 >

この作品をシェア

pagetop