D U S H ! !
とりあえず、ハラくんに事情を話して、麗奈さんの家を教えて貰った。
「おれ、行けないから任せたぞ」と言ってハラくんに電話を切られた。
今日は夜からドラムのコンテストの予選会があるらしい。
路地をゆく。
冷たい突風が俺達を凍えさせる。
雪が降ってもおかしくないくらいの寒さ。
「カイジん家の近くなんだろ?」
―幼なじみなんだから。
鮎川が言った。
そうそう、近くらしいんだけれど、彼女の苗字の表札が見当たらないのだ。
「……あれじゃね?」
そこには彼女の苗字である「原」という表札と、彼女が居た。