D U S H ! !



「麗奈さん!」


家に帰っていたんだ


と少し安心したが、彼女は泣き張らした後の顔をしていた。

「ちょっと聞きたいことがあるんですけど」


俺の推理は正解していた。

他人のちっさな嫉妬と勘違いによって、まさにこのけんかは起こっていた。


「もしそうだったとしても、謝らないよ、あたし。」

「なんで。」

目を真っ赤にした彼女の瞳から、また涙が溢れた。


オロオロし出す鮎川。

だから来るなって言ったのに。


「悪いのはあいつだよ。カイジ、あたしに同じ空気吸いたくないって言ったんだもん。」



………。

そこは否定出来ないわけで。


「じゃあ、カイジが謝ったら仲直りしますか!?」

「……。」

「いい加減認めて下さいよ。好きなんでしょう?」

「…わかった。」



俺はカイジに電話した。家にいるらしい。


自転車の向きを変えて、麗奈さんにここに居るよう言うと、鮎川を連れてカイジの家に向かった。



全く世話が焼ける。

ああもう、今回だけだからな!



< 327 / 346 >

この作品をシェア

pagetop