D U S H ! !
「麗奈さん!」
家に帰っていたんだ
と少し安心したが、彼女は泣き張らした後の顔をしていた。
「ちょっと聞きたいことがあるんですけど」
俺の推理は正解していた。
他人のちっさな嫉妬と勘違いによって、まさにこのけんかは起こっていた。
「もしそうだったとしても、謝らないよ、あたし。」
「なんで。」
目を真っ赤にした彼女の瞳から、また涙が溢れた。
オロオロし出す鮎川。
だから来るなって言ったのに。
「悪いのはあいつだよ。カイジ、あたしに同じ空気吸いたくないって言ったんだもん。」
………。
そこは否定出来ないわけで。
「じゃあ、カイジが謝ったら仲直りしますか!?」
「……。」
「いい加減認めて下さいよ。好きなんでしょう?」
「…わかった。」
俺はカイジに電話した。家にいるらしい。
自転車の向きを変えて、麗奈さんにここに居るよう言うと、鮎川を連れてカイジの家に向かった。
全く世話が焼ける。
ああもう、今回だけだからな!