D U S H ! !



「うわ、こいつ一人だけ、尻モチついてやんの、だっさー」

「……」

おっちゃん、うぜー


するとハラくんが言った。

「決勝進出って本当ですか、マジですか」


「おう。当たり前じゃねえか。嘘言ったらこの驚き過ぎて呆然としてる尻モチくんに殴られるでしょ。」

「それもそうですね」

「納得すんな」


それにしても、

「良い大人がどんなサプライズしてるんですか、ちゃんとその封筒の中身見せてくださいよ」


ほら、と証拠のブツを渡すおっちゃん。

茶封筒を開けて、中に入っていた紙を読んだ。


“三次結果 ライブハウスDASHEDfc-. DUSH 先日の三次審査の結果、3月に行われます学生限定フェスmusicmagazine決勝出場決定を御報告致します。”


「ままままじだ…」


「見せて見せて!…本当だ、『出場バンドは後日ミーティングに参加』だって。」

「優勝したらデビュー出来っかな!!」

「主催は有名音楽会社だしな、優勝バンドはメジャーデビューとは書いていないが、ここ数年の優勝バンドは1年以内にメジャーデビューしてる。デビュー確実って訳だ。」

「「「「ヒュー!!!!」」」」


「お前らさ、このままで優勝出来ると思ってるのか?」

「それは…」


「決勝決まったんなら舞台で最高のパフォーマンスする為に練習すんのが筋じゃねえのか」

「おっちゃん…」




叱られた俺たちはDASHEDfc-.に20枚だけCDを置かせてもらい、段ボールと茶封筒を持って家に帰った。



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