D U S H ! !
「なに、アタシのことでも考えてたの」
耳元でそんな声がして、不覚にも女々しい叫び声をあげてしまった。
「うっわー、びっくりさせんなよ、ユカじゃん」
「何、アタシじゃ駄目だった?」
「いや、駄目も何もないんだけれど」
「ふーん。今日はバイトなかったけど、DUSHが東京でmusicmagazineのミーティングだって言うから来ちゃった。どうだった、どうだった?!」
「…皆気合い入ってたよ。俺達も頑張らなきゃ、って。あ、そうそう。演奏する曲目は3月までにデモと一緒に知らせてくれって。」
「…歌う曲か…。それも悩むね」
そうなのだ。
曲数は1バンド3曲。
3曲でどれだけ、盛り上がれるか、審査員に目を向けてもらえるか。
一番迷うのが、曲目なのだ。
「曲目とかはまた4人で考えるよ。ユカは決勝来るよな?」
「うん。予定は1月から空けておいた。」
俺達の音楽に随分自信がおありなようで。
「アタシへの日ごろの感謝の歌でも作って歌ってよ」
ユカは冗談半分でそんなことを言った。