D U S H ! !



「行きたい!!」

「もう遅い~」

「殴るぞ。」


「ちょっとヤマトに鮎川くーん、面白そうな話して、海外旅行行ったんだ?」

「そ。鮎川ん家金持ちだった」

「もしかして鮎川って神保中のそばの?」

「あ、うん。」


シュートが言うには、神保中学校の目の前に大きな大きなお城のような家があるらしい。

そこにはヒノキとかいうかなり高そうな木に「鮎川」と達筆な字で書かれた表札があるそうで。


「鮎川の家って何やってんの」

俺は聞いた。

「ちょっと闇の組織を」

鮎川が答える。

「いや、それはないでしょ」

シュートも詰め寄った。

「いやマジで」

なのに鮎川は真面目な顔をしてこんなことを言いやがる。


「学校目の前にあんのに闇組織なんかやってられないでしょ、まず」


「え~、じゃあ親の正体知りたい?」

「「知りたい知りたい」」


なぜこんなにしぶるのかわからなかったが、それでも気になった俺は聞く。



「実は、オレの親父、大臣なんだ」


だいじん?


< 37 / 346 >

この作品をシェア

pagetop