D U S H ! !



今までの数々の自慢は、この話に持って行くためのものだったのか?


「いや、いきなり言われても」

「だよなあ…」


…一般常識はあるみたいだ。
こいつは少しナルシストな、口下手な奴なんだろうか。


そう思っていたけど、意外にも話が合う。

…勿論、音楽についてだけど。



「べろにかっていんじゃん?オレ、あいつの自信すげーと思う」

「わかる、結構ぐちゃぐちゃで調子乗ってる歌なのに、なぜか売れるんだよな」

「そうそう。売れるっていったらさ、Nightingaleも最近よくね?知ってる?Nightingale」

「知ってる知ってる。あれ俺かなり好きなバンド」

「マジで。実は俺もインディーズからファン(笑)」

「マジ?!…インディーズからとは負けたな(笑)」


思わず話が進むから、楽しくて楽しくて仕方がなかった。
幸い、音楽の話をすると、鮎川はナルシストにはならない。



こんな感じで毎日音楽の話をしていると、また突然彼は言った。


「ところでさ、バンド、マジで入る気ない?」



…まだ諦めてなかったのか。





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