D U S H ! !



「で、アドレス聞いたか?」

鮎川が言った。

翌週の月曜日。午後4時。
俺たちは仲良くクツバコ前で話し込んでいた。


「聞く訳ねーじゃん」

「じゃ、名前くらいは聞いたでしょ」

「聞いてない。」


なんだよ、なんて言われても。

あの30秒の間に、何ができるって言うんだ。


「もう会えないかも知れないんだぞ?アドレス聞かなきゃ。奇跡を待つ気か?」

カイジまで。
そんなことしたらただのナンパじゃん。


「ファミレスで会えるじゃん」

言ってやった。俺は言ってやった。

「おーなんかこいつムカつく」

「なんでお前にムカつかれなきゃいけねーんだよ」


鮎川とすねを蹴り合った。

くそー、こいつの蹴り方超痛え。




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