D U S H ! !



DASHEDfc-に着いた。
着く途中に雨が降って来たから、もう制服はびしょ濡れ。


「今日の6時から2時間予約してた鮎川です。」

…今日は鮎川が予約してたのか。


スタッフの人に番号を言われて、俺達はスタジオに入った。


「帰り雨やばいかなー」

鮎川が背負っていたギターを取りだしアンプに繋ぐ。


「やばそうだな。楽器持ってるし大雨にならなきゃいいんだけど。」

そっか。カイジも鮎川も大事な楽器を背負ってるのに、雨に濡れたら楽器が痛む。


「ちょっと今からうるさくするけどいい?」

ハラくんにそう言われ、俺達はうなずいた。


彼のドラム演奏は今日で二回目だが、確実に上手い。
さすがジュニアチャンピオン。

俺なんてまだなんにも知らない。

シンバルをばーんと叩いてありえない動きをしているようにしか見えない。
続けてハラくんは足下のでっかい太鼓をどんどんと叩く。

次の瞬間、爆音が耳を…



「太一!いつも音でけーよ!う・る・さ・い!」

カイジが耳を塞ぎながら叫ぶ。

ドラムの音より大きいカイジの声の方が凄いと思うけど。



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