イケメン君と美人チャン。







「…横取りしたのはアンタでしょ?!あたしはソレを言っただけよ!!」




「…………横取りの意味、分かってんの?」




「分かるわよそんくらい!!やっぱり馬鹿にしてんの!?」



「じゃぁ。あたしは横取り犯じゃ無い事ぐらい分かるでしょ?」




「………何よ、それ…!」




「あたしはあなたの物を取った覚えは無いっつってんの。だってそうでしょ?あの服はアンタが手に持ってたわけでも、買い取ったわけでも無いんでしょ?」




「…………っ」








悔しそう…………






そんなに悔しい?





みっともないなぁ…………






「………い、いいわよ!別に…!それよりも!こんな風に責めて、逃げられなくして……っ…アンタ、何がしたいのよ!!」




「何って………あたしの勝手でしょ?」



「な………っ…」




「悪くないのを悪くするのは気分が悪いの。それが他の人でも、自分の事でもね?だから悪くないって言っただけ。あたしの勝手。」




「っ…………」




「それと、アンタ…。あたしが嫌いだって言ってたけど…………。」







そこであたしは、ちょっとだけ笑ってやった






「あたしはアンタの事。結構好きだけど?」



「………………」



「ま、苦手だけどね?」







別に嫌いでは無いよ。




アンタみたいな、不器用な人










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