イケメン君と美人チャン。
「ユイユイ。今の状況分かってる?」
「うん?」
「今すぐキスだってできちゃうんだけど?」
一体どんな反応してくれるんだか…。
「ニャハハッ。」
「んな!?」
更にギュッと抱き着いてきたんすけど!!
「今の彼方って可愛いから説得力ないね。てゆーか、女だと思えばドキドキしない~♪」
…ドキドキ?
それって俺が男だとドキドキするって事?
「彼方…。あのさ。」
「何?」
「…ごめん……。」
え!?
何故に謝っている!?
「何が?」
「……何でもないの。ごめんなさい…。」
「だから何がだよ。」
「…あたしの気持ちの問題なの………彼方に迷惑かけてる…。こんな中途半端な気持ちヤダよ……ハッキリしてよぉ…」
…良く分かんないけど…。
あのユイユイが泣くんだから。相当だよな
「よしよし。泣くな泣くな!しかもこんな密着状態で……。その…ドキドキが…。」
そう言うと、由衣はバッと俺から離れた。
あらま。泣き顔綺麗~…。
「そ、そうだよね!これが迷惑になるのか!」
「は?」
「ごめん……。泣かないから!もう帰るね!そのカツラいんないらしいからあげる!!じゃ!!」
………まったく…。
俺は、部屋に向かっている由衣の腕をグイッと引っ張った。
「ひゃ………。」
急激に体同士が近くなった。
カワユス…。
ちっこいな~。コイツ。
「変な笑顔作ってんなよ。」
「………。」
「そんなに辛いんなら泣いて良いぞ。」
「………。」
「ほら、おいで?」