イケメン君と美人チャン。




【彼方】



まったく…。


本気でやるから体動かなくなったし…



「…………っごめん。」


「え………。」




喧嘩してるときはあんなに無表情だったのに




今の由衣は泣き出しそうな顔してる…。


変な奴………。




でも、だから好きなんだよな~。



俺は麻痺して動かない腕に力をいれる。


隣で泣きそうな由衣の頭を撫でる為に。


「泣け」


「………。」


「昨日言ったこと。もう忘れたのか?」

由衣の目に涙がたまってきてる…。



辛いんなら泣いて良いから。


だから無理すんな…。




「…おいで?」


「………………彼方っ!。」





腕を広げると。泣きながら飛び込んできた。


可愛いんだな~…。これが…





「ううう~!…」


「はいはい。……俺はユイユイの強い所に惚れたんだかんな?だから負けたっていいんだよ。」


「…でも、やっぱ悔しいでしょ?」




そりゃ悔しいけど…、


由衣に負けるのは納得できるし。




何たってあのパパちゃんの娘だもんな~。


俺は特に何か習ってた訳じゃないし…。




基礎的なことが出来るだけだし。ユイユイみたいに集中力もない。




「俺こそ、意地になってごめんな?」


「うん…。仲直りだね。」


「おう!!大好きだぜ!ユイユイ!。」


「あたしも!彼方大好き!。」





そしてここであっつ~いキッスを…



「ちょっと~。いつまで二人の世界にいんのー?」


「恥ずかしいぞ?お前ら。てかキスしようとしてんな!皆見てっから!」




え!?…………。




よく周りを見てみると…。



み、みんなと目があったし!!



真顔で見てんじゃねぇよ!






< 92 / 187 >

この作品をシェア

pagetop