イケメン君と美人チャン。
【彼方】
まったく…。
本気でやるから体動かなくなったし…
「…………っごめん。」
「え………。」
喧嘩してるときはあんなに無表情だったのに
今の由衣は泣き出しそうな顔してる…。
変な奴………。
でも、だから好きなんだよな~。
俺は麻痺して動かない腕に力をいれる。
隣で泣きそうな由衣の頭を撫でる為に。
「泣け」
「………。」
「昨日言ったこと。もう忘れたのか?」
由衣の目に涙がたまってきてる…。
辛いんなら泣いて良いから。
だから無理すんな…。
「…おいで?」
「………………彼方っ!。」
腕を広げると。泣きながら飛び込んできた。
可愛いんだな~…。これが…
「ううう~!…」
「はいはい。……俺はユイユイの強い所に惚れたんだかんな?だから負けたっていいんだよ。」
「…でも、やっぱ悔しいでしょ?」
そりゃ悔しいけど…、
由衣に負けるのは納得できるし。
何たってあのパパちゃんの娘だもんな~。
俺は特に何か習ってた訳じゃないし…。
基礎的なことが出来るだけだし。ユイユイみたいに集中力もない。
「俺こそ、意地になってごめんな?」
「うん…。仲直りだね。」
「おう!!大好きだぜ!ユイユイ!。」
「あたしも!彼方大好き!。」
そしてここであっつ~いキッスを…
「ちょっと~。いつまで二人の世界にいんのー?」
「恥ずかしいぞ?お前ら。てかキスしようとしてんな!皆見てっから!」
え!?…………。
よく周りを見てみると…。
み、みんなと目があったし!!
真顔で見てんじゃねぇよ!