桜花散恋
「今から、お前のことについて幹部の連中と話し合う。昨日の辻斬りも含めてな」
「私のこと、ですか・・?」
「お前をこれから、どうするかをな」
着替え終わったのを告げると、土方さんが襖を開ける。
元着ていた服をたたむ私を見て、おもむろに言った。
「・・・お前、どこから来たんだ?」
「・・それは・・・」
「・・・お前が・・少なくとも京の人間でないことはわかる。敵じゃねえっていうのもな」
「・・・・」
やっぱり、私がおかしな人間だってことは、既にわかってるみたい。
そりゃあそうだよね。こんな・・この時代にしてみれば変な格好してるんだもん。
「いきなり知らない土地で、しかもこの男所帯で、話しにくいとは思うが、・・話してくれないか?」
土方さんが座っていた私に視線を合わせるようにしゃがむ。
あわせられた目は、とても優しくて―――・・・・
「幹部の奴等も、悪い奴等じゃねえ。口は少し悪いかもしれねえが・・・」
「そうだよ。土方さんが悪いやつじゃないかどうかはちょっとわかんないけど・・」
「総司?!」
土方さんの優しい言葉のあとに、すっと襖が開き、にっこりと笑った沖田さんが入ってきた。